2013/04/08

将棋の電王戦。歴史の転換点なのか否か。

将棋の電王戦。みなさんご存じでしょうか?
将棋のプロ棋士vsコンピューター将棋の5対5の団体戦。ただいまニコニコ動画にて絶賛放映中です。

将棋に全く興味の無かったボクが今、この勝負が楽しみで仕方ありません。
おそらくニュースでご覧になった方もいるのではないでしょうか。3月30日、歴史上初、コンピューター将棋がプロ棋士に勝利しました。
このことはニュースでセンセーショナルに報道されました。

そして1週間後、またプロ棋士が敗れました。
しかし前回ほどには驚きを与えたわけではありません。

すでに1週間前の時点で結論が出ているからです。
コンピューターがプロ棋士より強いかどうか。
少なくとも、コンピューター将棋がプロ棋士並みであると証明されてしまったのです。

イベントの意義としては、この3月30日の勝負で全てが終わっていると言えます。
これからの勝負の意味としては、それぞれの棋士がコンピュータに勝てるか、という問題になるのです。
つまり、コンピューター将棋vsプロ棋士ではなく、コンピューター将棋vs個人に焦点は移りました。
羽生さんが、渡辺さんが、コンピューターに勝てるかどうかの興味です。
次にコンピューター将棋がスポットライトを浴びるときは羽生さんに勝ったときです。
それまでの対戦は過程に過ぎません。

それでは、なぜボクが今このイベントに夢中になっているか。

棋士は幼少の頃から将棋を指し、ただの盤上のゲームというもの以上に精神的な何かを求めます。
それは日本人特有の「道」に関係していると思います。
柔道、剣道、書道、華道、相撲道・・・。
その先に何か崇高なものが存在し、それを求める精神です。

プロ棋士が恐れるのは、コンピューターに負けることではなく、将棋がただの確率論のゲームであると認識されることではないかと思うのです。

将棋に対する神秘性を守るため、棋士というプライドを守るため、幼少の頃から培った全てかけて、いま棋士がコンピューターと戦っています。

そのバックボーンが強ければ強いほど面白いのです。

無責任な言い方ですが、この戦いが楽しめるのはあと少しです。
いずれ、誰もコンピューターに勝てなくなります。
それ以前に、人間側の心が折れてしまうでしょう。

だから、今が一番面白くて、ボクが夢中になるのです。




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